第3回:牧野美保氏/キッチンさらぼんオーナー

2007年7月2日

牧野美保さん第3回「カラフル・キャリア対談」は、手作りのスローフードなお弁当屋販売「キッチンさらぼん」を経営する牧野美保さんをご紹介します。

20年間勤めた職場を辞め、手作りのお弁当屋さん「キッチンさらぼん」をはじめた牧野さん。20年ぶりに思い出した子供の頃の夢に向けて、毎日美味しい手作りお弁当を作っています。3人のママでもある牧野さん曰く、子供のためでもなく、自分のためでもなく、やりたいこと!をやっているだけ。ワンコインで買えるお弁当に詰まったたくさんの思いをおうかがいしました。

プロフィール

牧野美保氏/キッチンさらぼんオーナー
大学中退後、公的機関で20年間勤務ののち、手作りのスローフードなお弁当販売「キッチンさらぼん」経営。退職直前は「苦情・相談窓口」担当となり、電話相談含め、相談、苦情(クレーム)対応、カウンセリング等に従事し、のべ1,500人と対応。

「キッチンさらぼん」は2006年4月にオープンし、現在2年目の夏を迎えようとしている。(お弁当販売は、新宿の中央公園前)

独立するきっかけとなった部署異動

高田:独立される前は20年間同じ職場でお勤めされてきたんですよね?

牧野:はい、そうです。事務職がほとんどでしたが、退職前の2年間は相談や苦情、電話相談も含めて、カウンセリングなどに携わっていました。

高田:相談窓口は大変な仕事なのでは?

牧野:そうですね。実は退職するきっかけにもなった仕事なんです。相談窓口で多くの方と接しているうちに、もしかしたら自分に向いている仕事って、これなんじゃないか!今までやってきた仕事ではない!と思ったんです。

高田:何かピーン!とくるものがあったのですね。

牧野:苦情とはいえ、半分相談だったりする。聞いてあげたり、相談にのってあげたりすると、何かみんな満足して帰っていく。あと、相談に来る方は、今何がしたいか、どうしたらいいのかわからずに来る方が大半。その方々に対して、どうしたいかという糸口を見つけることによって、解決策をみつけたり、相手が気持ちを少しでも察してあげたらどんなに自分は満足なんだ、、ということを感じました。

高田:その部署に異動したときに、これまでとは違う楽しさを発見されたんですね。

牧野:そうですね。でも、最初は大変でしたよ。怒ってくる方や苦情とか殺到し、その対応をするんですから。でも、こちらもオープンに対応し、ちゃんと聴いてあげることにより、人として、その方が安心して、落ち着いてくる。表情もやわらかくなり、「来てよかった!」といって帰っていただけると、あー、いいなー、よかったな、と心から思いました。

もっとわがままに生きていいんじゃないか!
自分のために低収入でもいいから好きなことをやりたかった

牧野:当初は、一生このまま、育児しながら共稼ぎで、それなりに収入があり、子供が離れていく頃には、夫婦で旅行に行ったりとか、ごく普通の人生を歩むんだな、と思っていました。それに対して、不安も不満も感じませんでした。

たまたま40歳という年齢を目前にして、色々考えたんです。人生普通に生きても60歳とか70歳ぐらいまで仕事をする。大好きだった義理の両親が早く亡くなったこともあり、あー、人生って短いんだなー。今日一日一日大切に生きなかったら、損だなーと思ったんです。人生80年として、折り返し地点が40歳。だったら、40歳でも遅くないじゃん!って思ったんです。

高田:何をはじめるのも人生遅すぎることはありませんね。 

牧野:今度は自分のわがままに生きてみようかな、と思いました。これまでも随分わがままには生きてきたんですが(笑)、もっとわがままに生きてもいいんじゃないか、って思ったんです。 自分は今まで子供も産んだし、育ててきた。子供のためとか、誰のためとかではなく、自分のために低収入でも好きなことをやってみよう!と。

高田:かっこいいですねー!

私も40歳で今後の人生を色々考え、それが起業した理由の1つでもありました。タイミングとして、あと1年先、2年先であれば遅い、今やるしかないと思いましたね。

牧野:そうそう、やる気がなくなったら、もう駄目。私も1年前にはじめていなければ、結局以前のまま同じ会社にいたでしょうね。

高田:牧野さんは20代でご結婚され、3人のお子さんがいらっしゃいますよね?

牧野:27歳で結婚し、2年後の29歳で出産、2人目は30歳、3人目は36歳で出産し、現在中二、小六、5歳の子供がいます。

高田:3人のお子さんの育児をしながら仕事を続けてこられたのもすごいですが、家庭を持ちながら独立されるのは大変だったのでは?

牧野:いやー、あまり関係ないんじゃないかな。私は子供がいる・いないは関係ないと思っています。子育てはあまり熱心じゃないですから。(笑)

高田:そういう楽な気持ちで、でもしっかりと子育てしているのはいいですね。最近は、「やってあげなくちゃ!」と一生懸命子育てしていて疲れちゃうママさんは多いですからね。

牧野:「子供のために何かしてやろう! そうでなきゃ、子供がかわいそう。」という考えは、大間違い!

高田:それだけフランクに考えられないと駄目ですね。

牧野:私はこれまで「子供のために働かされている」、と思ったことは一度もないんです。ただ、もちろん日常生活の家事をやっていて、不満に思うこともたくさんありますよ。何で、こんなに洗濯をしなくちゃいけないんだ!とかね。(笑) でも、だからと言って別に子供のために働いている、なんて思ったことはありませんね。そうじゃないと働きながら子供なんて作れません。

1 / 612345...最後 »