第1回:山口絵理子氏/(株)マザーハウス代表取締役

2007年4月8日

山口絵理子さん「カラフル・キャリア対談」第1回は、「フジサンケイ女性起業家支援プロジェクト・女性起業家ビジネスプランコンテスト」で応募者数1,161人の中から選ばれ、最優秀賞に輝いた山口絵理子さんです。

バングラディッシュが世界に誇る繊維「ジュート」

現地の職人さん達とともに、先進国で通用する高い品質の「ジュート素材のバック」をつくることを目指し、日本でバングラディッシュのバックを販売しているマザーハウス。単身でアジア最貧国バングラディッシュへ渡り、現地の大学院で初の外国人生徒として2年間過ごした山口絵理子さん。彼女がジュートと出会い、そしてマザーハウスを設立し、実際に日本でバックを販売するまでのお話をおうかがいしました。

プロフィール

山口絵理子氏/株式会社マザーハウス代表取締役
慶應義塾大学総合政策学部卒業、ワシントン国際機関でのインターンを経てバングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程入学。現地での2年間の滞在中は日本大手商社のダッカ事務所にて研修生を勤め、夜間の大学院に通う。2年後、帰国しビジネスを通じた国際貢献を実践すべく株式会社マザーハウスを設立。

■マザーハウス
http://www.mother-house.jp/

マザーハウスのはじまり – バック屋さんになったきっかけ

高田:大学4年生のときにワシントンDCの国際機関にインターンをすることから色々な出会いがはじまるわけですよね? あこがれの場所でのインターンですが、自分が想像していた仕事とのギャップに違和感を感じられたとか。そのあたりをお話いただけますか?

山口:もともと援助とか、教育分野の援助に携わりたくて、国際機関で途上国向けにプロジェクトをやりたいと思い、応募しました。その時は予算戦略本部というところで、銀行全体の予算をまとめる仕事でした。あるとき、何かの間違いで、1ドル、2ドルという数字が合わないことがありました。上司からは、「そんなのはどうでもいいから。」と言われた。

でも、一日1ドル以下の生活をしている人はバングラディッシュでは全体の40%いる。私達から見たらゴミみたいな数字かもしれないけど、それでどれだけの人が生活をしているのか? 現場というものが全然見えなかった。何度も上司に「どうなっているのか? なぜそうなるのか?」と聞いてみたが、「僕達は頭がいいから、頭を使った仕事をしているんだ。」というスタンスでした。現場の人というのはボランティアであり、NPOであり、発展途上国の援助方法など全て仕切っている自分たちの国際機関とは別、ときっちりと区切りをつけていました。そんな態度に疑問を持ちはじめました。

「現場を知らないで、どうして政策がつくれるのか?」 この問いに関しては、結局具体的な心に響くような答えは返ってきませんでした。これはやっぱり現場を実際に見て政策をしたい、と思ったんです。

高田:実際の最貧国の現状を自分の目で確かめるために、米国から帰国後すぐにバングラディッシュへ行かれたんですか?

山口:たまたまバングラディッシュだったんです。アジアで一番貧しい国がバングラディッシュだと思い選んだ国でしたが、まさか自分の人生を変える国になるとは思ってもみませんでした。大学4年生の夏休みの後半2週間だけの滞在でした。
知れば知るほどわからないことだらけで、今までは教科書だけで知っているだけ。もっと知るべきだという思いから、その時に大学院を受験し、合格証を持って帰国しました。

高田:バングラディッシュにひかれるものがあったというよりは、もっとこの国を知りたいとの思いから、2週間の滞在が、結局2年間になったのですね。

山口:何億ドルの援助を受けているのに、何でこんなぼろぼろの服を着ているのか? 単純におかしいな、と疑問に思うことばかりでした。

高田:ご両親は猛反対されたのでしょうね?

山口:はい、もう皆からは反対されて大変でした。(笑)

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